ズールー族
・ズールー族は、アフリカ南部(主に南アフリカ共和国)に居住するバントゥー系の最大民族。
・約1,100万人以上の人口を誇り、独自の言語、文化、戦士的伝統を持つ。
・名前の由来は「Zulwini(天)」に由来し、「天から来た人々」とも訳される。
居住地
・主に南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州に集中。
・一部は隣接するモザンビーク、**エスワティニ(旧スワジランド)**にも少数定住。
・都市部(ヨハネスブルグなど)へも多数移住。
歴史
・18世紀後半、ズールー族は複数の小部族から統合され、19世紀初頭にシャカ・ズールー王によって強力な軍事国家へ。
・シャカ王のもとで軍制改革と中央集権化が行われ、ズールー王国が急成長。
・1879年のズールー戦争(イギリスとの戦争)で一部勝利を収めるも、最終的には植民地化される。
・現在もズールー王族は象徴的存在として存続し、文化的影響力は非常に強い。
文化
・戦士文化:盾と槍(アセガイ)を用いた戦いの伝統。今も舞踊に名残がある。
・伝統舞踊(インダラ・ダンス):力強い足踏みと集団動作で誇りと団結を表す。
・ビーズ工芸:ネックレス・腰巻・帽子など、色とパターンで意味を表現。
・ウムセベンジ(umsebenzi)精神:勤勉、責任、祖先とのつながりを大切にする考え。
ズールー族の旗・シンボル

公式な民族旗は存在しないが、ズールー王国時代には以下が象徴的
・牛革の盾(イシカバ)と槍(アセガイ)
・黒と白の牛柄:ズールー軍の伝統装備
現代の象徴
・ズールー王室の紋章
・ビーズアートの模様や伝統衣装
言語
ズールー語(isiZulu)
・バントゥー語群に属する南部アフリカの主要言語。
・話者数:1,200万人以上(母語・第二言語含む)
特徴
・クリック音を含む発音(コイサン語の影響)。
・豊かな名詞クラス(文法的性)を持つ。
・他バントゥー語(コサ語、スワジ語など)との相互理解性が高い。
文字
・現在はラテン文字ベースの正書法を使用。
・宣教師によって19世紀に書記体系が整備された。
・学校・メディア・公文書でも使用され、南アフリカの11の公用語のひとつ。
ズールー語の挨拶・定番表現
日本語 | ズールー語 | 発音目安 | |||
こんにちは | Sawubona | サウボーナ | |||
おはよう | Sawubona ekuseni | サウボーナ エクセニ | |||
おやすみ | Ulale kahle | ウラーレ カフレ | |||
ありがとう | Ngiyabonga | ンギヤボンガ | |||
よろしくお願いします | Ngiyajabula ukukwazi | ンギヤジャブラ ウククワズィレ | |||
美味しい | Kumnandi | クムナンディ | |||
楽しい | Kuyajabulisa | クヤジャブリサ |
地域
大陸:アフリカ
南アフリカ共和国
・クワズール・ナタール州(最大)・ハウテン州(都市部移民も多い)
・モザンビーク・エスワティニ(スワジランド)にも少数居住。
言語の起源
・ズールー語は、バントゥー語群(ニジェール・コンゴ語族)の一支派。
・南部アフリカにおいて、コイサン語との接触により、クリック音を取り入れた独特の音韻体系を持つ。
・書き言葉としての発展は19世紀から、宗教・教育を通じて急速に拡がった。
伝統的な遊び
1. モラバランゴ(Morabaraba)
・石や駒を使う戦略ボードゲーム。ズールー版三目並べの進化系。
2.スティックファイティング(Induku)
・若者の競技的格闘。技術と精神の訓練。
3.ビーズ投げゲーム
・狙った的にビーズや小石を投げる遊び。幼少期に多く行われる。
4.ズールーダンス対決
・即興で行うダンスバトル。力強い足技と掛け声が勝負。
紹介動画

