ケチュア族の文化バナー

ケチュア族

・ケチュア族は、インカ帝国の中心民族であり、現代でも南米アンデス地域に広く分布する最大級の先住民族グループです。
・人口は推定800万人以上、言語話者も多く、民族的にも文化的にも活発な活動を続けています。

居住地

主に以下の国々のアンデス山脈地帯に居住

歴史

・ケチュア系民族は、**インカ帝国(13~16世紀)**を築いた中心民族で、言語・文化を帝国全体に広げた。
・1530年代にスペインによる征服後、宗教的・言語的な抑圧を受けつつも、伝統文化を地下で維持。
・現代では民族復興・言語復権が進み、国によっては公用語にも指定されている。

文化

織物文化:色鮮やかな模様と意味を持つ民族衣装が特徴。
宗教観:伝統的なアニミズムとカトリックが融合(パチャママ=大地の女神信仰など)。
農耕:ジャガイモ、キヌア、トウモロコシ栽培に適応した高地農業。
建築と工芸:石組み技術や、木・陶器の工芸も発達。
儀式・祭り:太陽の祭り「インティ・ライミ」などが有名。

ケチュア族の旗・シンボル

ケチュア族の旗

ワイラ・ウィパラ(Wiphala):虹色のチェック模様の旗。

・南米の先住民族の平等・団結・自然との調和を表す。
・ボリビアでは公式の国旗のひとつとして採用。
・精霊ダンスのモチーフもシンボリックに使われることあり。

太陽・ピューマ・コンドルなどもケチュア文化における象徴。

言語

ケチュア語

語族:ケチュア語族(Quechuan family)で、方言が非常に多い。
話者数:800万~1000万人以上(世界最大の先住民族言語のひとつ)。

特徴

膠着語:接尾語で文法的関係を示す。
SOV語順:(主語-目的語-動詞)。
声調なし・文字あり。
・各地域で発音・単語が異なるため、「ケチュア語」と言っても多くの亜言語を含む。

文字

伝統的には口承文化。インカでは記録用に「キープ(紐の結び目)」を使用。
近代以降はスペイン語アルファベットを基にしたラテン文字で表記。
・発音に応じた簡易的な正書法が各国で導入されている。

ケチュア族の挨拶・定番表現

日本語 ケチュア語 発音の目安
こんにちは Rimaykullayki リマイクライキ
おはよう Allin p’unchay アイイン・プンチャイ
ありがとう Sulpayki スルパイキ
よろしくお願いします Ñuqaqa kusikuni ニュカカ・クシクニ
おやすみ Allin tuta アイイン・トゥタ
美味しい Sumak mikuy スマク・ミクイ
楽しい Kusikuy クシクイ

地域

大陸:南アメリカ大陸

特にペルーとボリビアに最大集住。

ペルー
ボリビア
エクアドル
コロンビア南部
アルゼンチン北部

言語の起源

・ケチュア語はもともとペルー中央高地で発展したとされ、インカ帝国により行政用語として広まった
・スペイン征服後も、教会や行政で一時使用されるなど存続。
・20世紀後半から言語復興運動が盛んになり、現在はボリビア、ペルー、エクアドルで公用語として認められている。

伝統的な遊び

1. サッポ(Sapo)

・鉄製のカエルの口にコインを投げ入れる遊び。
・精度と運を競う、祭りなどで人気。

2.トロンポ(コマ回し)

・木製のコマを紐で回すシンプルな遊び。

3.ククイ(玉投げ)

・石や豆などを的に向かって投げる伝統的な遊び。

4.歌とダンス(ウァイノ)

・音楽と踊りによる交流も「遊び」として親しまれている。

紹介動画

ケチュア族の写真
ケチュア族の写真

データ元(参照文献)

言語

・風景写真家・松井章のブログ andina-travel.com/blog/peru190825/