ベンバ民族の文化バナー

ベンバ族

女性中心の親族制度、豊かな音楽・踊り文化
アフリカ南部の中でも言語保存と音楽文化が強い

居住地

ザンビア北部、コンゴ南部、タンザニア西部

ベンバ族の旗(シンボル)

ベンバ族のシンボル

ベンバ族には国家のような公式な民族旗は存在しませんが、ザンビア共和国の国旗や国章の中に間接的に表現されています。
特にワシ(鷲)は「自由と希望」、また緑・黒・赤・オレンジの配色はアフリカの土地・民族・解放・鉱業を象徴しています。
ベンバ族はザンビア最大の民族グループであるため、これらの色やワシのモチーフを部族の象徴的文様として扱う場合もあります。

言語

ベンバ語の特徴

ベンバ語(ChiBemba)バントゥー語群に属する言語で、ザンビア北部を中心に約400万人以上が使用しています。動詞中心の構文で、豊富な接頭辞によって主語・目的語・時制・法・アスペクトを示す膠着語的構造を持ちます。

名詞は名詞クラスによって分類され、例えば「人間を表す語(ba-)」や「物を表す語(chi-)」など、形態的に文法関係を示します。
語順はSVO(主語-動詞-目的語)が基本で、動詞には名詞クラスに応じた接頭辞が一致します。

またベンバ語はトーン(高低アクセント)によって意味を区別するため、音の抑揚も重要な言語要素となっています。

文字

表記体系・使用文字

ベンバ語には古来の文字体系はなく、現在はラテン文字を使って表記されています。
ザンビア政府によって定められた公式正書法(orthography)に基づき、教育や新聞、ラジオ放送でも用いられています。

使用される文字は26文字の基本的なアルファベットで、長母音やトーンの区別は多くの場合、表記上には反映されません(会話・教育上で区別)。 発音と綴りは比較的対応しており、読みやすさが保たれています。

ベンバ語の挨拶・定番表現

日本語 ベンバ語 発音の目安
こんにちは Muli shani? ムリ シャニ?
おはよう Shani lelo? シャニ レロ?
ありがとう Natotela ナトテラ
さようなら Shalenipo シャレニポ
美味しい Chali bwino! チャリ ブイノ!
楽しい Ndefwaya bwino ンデフワヤ ブイノ

地域

大陸:アフリカ
ザンビア周辺

言語の起源

ベンバ語はニジェール・コンゴ語族 > バントゥー語派>ベヌエ・コンゴ語群 > バントゥー諸語の流れを汲み、コンゴ川流域に起源を持つとされます。 紀元前1000年ごろからのバントゥー語拡散運動により、現在のザンビア地域に移住・定着しました。

ベンバ族の祖先は16世紀ごろ、コンゴ王国の王族から分派し、ルワプラ川周辺に独立したベンバ王国を築いたと伝えられています。 この王国の権威とともにベンバ語も広がり、周辺民族にも影響を与える言語的地位を確立しました。

ベンバ族の伝統的な遊び

ベンバ族の伝統的な遊びは、身体能力・機転・チームワークを養うものが多く、村の子供や若者たちの間で日常的に行われてきました。

ベンバ族の子どもたちは、自然素材を使った遊びを通して狩猟・農耕・社会性を学んでいきます。成人向けには祝祭や儀式で行う競技もあります。

1. Ichiyenga(イチイェンガ)

木の実や石を使った手投げ遊び。手の甲に乗せた石を空中に投げてキャッチする、日本のお手玉に似た動作。

2.Ciwaya(チワヤ)

弓矢に見立てた道具で標的を狙う遊び。小動物狩りを模倣しており、男児が狩猟の感覚を遊びながら学ぶ訓練にもなります。

3.Impale(インパレ)

輪投げと似た円形の物体を転がす競技。輪を走って追いかける遊びで、体力・スピード・反射神経を鍛えます。

4.ダンスバトル

若者の成人儀式や祭で即興ダンスを披露し、リズム感や身体能力を競う。
これらの遊びはベンバ語での歌や掛け声とセットになっていることも多く、言語と文化の伝承手段にもなっています。

紹介動画

また、成人男性は伝統舞踊や戦士訓練を兼ねた模擬競技に参加することもあり、村の祝祭ではこれらの遊びが公開されます。